みさと健和病院院長 野水 眞
みさと健和病院の新棟建設の議論の中で、ハードの面では新病棟が今後50年間病院として使い続けられ、今後起こりうる大災害に耐えられるように免震構造を備えることを大前提としました。
更に今後みさと健和病院が進んでいく医療活動の検討の中から、第一に急性期病院であり続けること、第二に地域医療を実践する病院のスタンスを貫くこと、第三に常に患者さんの視点を大事にすることを条件に構想が練られました。
■急性期病院であり続けること
第一の急性期病院としての構想には、様々な要素が含まれています。まず急患として運ばれてくる患者さんの治療を充分に行うためには、充分な場所と必要な設備と、内科系・外科系の様々な病態に適応できる有能な人材が必要です。そこで新病棟では救急部(ER外来・救急病棟)と集中治療部(ICU・HCU病棟)に充分なスペースと人員を配置しています。
次いで、急性期病院として活躍していく為には、病棟医療を実践する医師・看護師などの後継者対策が必要です。医師に関しては厚生労働省の臨床研修病院の維持は必須の条件であり、研修医の教育の場として、ER部門と総合診療(総合内科)病棟を構想の中心として持ち、サポートする専門各科が適切に配置されます。
看護師教育に関しても、歴史ある教育プログラムを通じて多くの一人前の看護師を新しい病棟の看護の中で育て続けていきます。
さらにDPC制度の中で急性期病院として経営的にも自立するために、外科系の手術件数増に向けた手術室の充実をおこない、5室が稼動できるように設計しました。うち1室は感染症対策として陰圧に切り替えられる空調設備を持ち、内視鏡手術専用手術室1室、人工関節手術に用いるクリーンルーム1室も作られています。
病棟設計の面では、看護師の眼が行き届きやすいように1病棟35〜36床としました。看護上の安全管理の面からほとんどの病室はスタッフステーションから等距離に配置してあります。使いづらい病室を減らして空床を作らない経営上の利点もあります。
更に、今後の診療報酬体系や患者ニーズの変化にも対応できるように、多床室は間仕切りを置くことによって、全個室24床の病棟にも容易に改変できるように設計されています。病院全体での個室率は約30%で決して多くはありませんが、全室にトイレの設置、すべての多床室と一部の個室にシャワーを設置しております。各フロアの角には5床室がありますが、それぞれのベッドの枕元に専用の窓がある個室的多床室を採用しています。
■地域医療を実践する病院のスタンスを貫くこと
第二の地域医療の実践に関しては、地域の方々がどんな病気や怪我でもかかれるように、準総合病院的な守備範囲を続けていこうと考えています。現在当院には設置していない診療科も今後可能性を追求していく予定です。
今までも稼動してきた救急病棟をER部門の中に配置することで、地域の急病患者さんや救急車を断らなくて済むようにと考えています。
さらに大きな新たな取り組みとして緩和ケア病棟を新設いたしました。地域の多くの方々からの強い要望もあり、私たちの長年の夢でもあった緩和ケア病棟を最上階の7階に設置いたしました。東西に広い屋上庭園があって気持ちを和ませてくれます。在宅医療との連携により当院周辺地域のがん患者さんたちの終末期ケアに重要な役割を果たすことになると思います。
■常に患者さんの視点を大事にすること
第三の患者さんの視点については、健和友の会が作った「患者の権利宣言」の意見を尊重して、受診しやすい病院作りを目指しました。病棟部分も含めて、患者さんに関係するほとんどの場所をオープンカウンターにし、病院職員に声をかけやすいように設計しております。
更に私たちの医療活動の原点が、経済的に恵まれない方々にも充分な医療を提供しようと始まった経緯もあり、すべての病室を個室も含め差額室料なしで運営することにしています。患者さんの経済状況に関わらず、入院の判断が病状により決まる病院であり続けたいと考えています。
■今後の展開
今後、北棟(現病院)は耐震補強を行った上で活用することにしております。1階東側部分には健診部門を配置し、病院の保健予防活動も今後更に積極的におこなっていきます。1階中央付近には、医療相談室や医療連携室、患者図書室(仮称)、友の会コーナーができる予定です。2階は医局関連部門 3階は外来化学療法室などが予定されています。
新しく生まれ変わったみさと健和病院で、当院の医療活動が飛躍的に発展すると確信しています。
みさと健和病院院長 野水 眞
問い合わせmakoto-nomizu@totokyogikai.jp
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