ABC検診とは、ヘリコバクターピロリIgG抗体(Hp抗体)検査でピロリ菌感染の有無を、ペプシノゲン(PG)検査で胃粘膜萎縮度を調べ、その結果を組み合わせて胃がんのリスクをA,B,C,Dの4群に分類して評価する検診です。
ヘリコバクターピロリ(H.ピロリ)抗体検査
胃がH.ピロリ菌に感染していないか調べる検査です。
H.ピロリ菌は胃粘膜にダメージを与え、さまざまな病気の引きがねになると考えられています。
ペプシノゲン検査
胃粘膜の老化(萎縮)の状態を調べる検査で、胃がん検診にも応用されています。
萎縮が進んだ胃は、胃がんになりやすいといわれています。
- ABC検診の分類とリスクおよびその対処法
分類群 |
健診結果 |
特 徴 |
A群 |
ピロリ菌(−) ペプシノゲン法(−) |
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B群 |
ピロリ菌(+) ペプシノゲン法(−) |
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C群 |
ピロリ菌(+) ペプシノゲン法(+) |
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D群 |
ピロリ菌(−) ペプシノゲン法(+) |
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注意事項
以下の場合には正しい結果が得られない可能性がありますので、この検査は不適です。
- 明らかな上部消化器症状のある方
- 食道、胃、十二指腸疾患で治療中の方
- 胃酸分泌抑制薬(プロトンポンプ阻害薬)服用中もしくは2カ月以内に服用していた方
- 胃切除をされた方
- 腎不全の方(目安として、クレアチニン3mg/dL以上)
- ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療を受けた方(除菌群=Eタイプといわれています)
この健診でピロリ菌がいると判定されても、それだけでは、健康保険を使ってピロリ菌の除菌を行うことはできません。上部内視鏡検査を行い、ピロリ関連胃炎や胃潰瘍(瘢痕を含む)、十二指腸潰瘍(瘢痕を含む)があることを確認した上で、除菌を行います。