肺がんについて
日本人の死亡原因の第1位は「がん」ですが、その部位別の死亡順位では・・・
- 1位:肺がん
- 2位:胃がん
- 3位:大腸がん
- 1位:大腸がん
- 2位:肺がん
- 3位:胃がん
この状況を改善するために重要なのは肺がんを早期に発見するということです。
肺がんの症状としては、咳や胸痛、息苦しさ、呼吸困難、血痰が代表的ですが、進行するまでは目立った兆候が見られないことが多く、気付いたとしても風邪や他の病気と考えて病院に行かずに済ませてしまうことも多く見られます。こうした事が、肺がんの発見を遅らせ、死亡率を高めてしまう原因の一つになっていると言えます。
- 主な部位別がん死亡率の推移
※肺がんは気管、気管支のがんを、子宮がんは子宮頸がんを含む。
大腸がんは結腸と直腸S状結腸以降部及び直腸がんの計。
【資料】厚生労働省「人口動態統計」
肺がんの検査
現在、肺がん検診としては、胸部エックス線検査、または胸部エックス線検査+喀痰細胞診の組み合わせが広く行われていますが、早期の小さながんまで発見するのはなかなか難しいのが現状です。そのため、近年ではより小さな病変を検出することができる胸部CTを検診として行う施設が増えてきています。
胸部エックス線(レントゲン)写真では、肺の約3分の1は近接する臓器(心臓や血管など)と重なりますので、小さな肺がんを発見することが困難な場合があります。
しかし、CTは輪切り像(断面像)ですから、レントゲン写真では重なってしまう部分も重ならずに、小さな病変を発見することが出来ます。また CTは分解能に優れるため、胸部エックス線写真に比べ、より小さな病変も検出することが可能です。
CTによる肺がん発見率は、胸部エックス線検診に比べて10倍程度高いという報告もあり、発見された肺がんは早期の比率が高く、その治療成績も良好であることが知られています。
当院で行う肺がんCT検診の特筆すべき点は、最先端のCT装置と被ばく低減技術を用いるため、体格にもよりますが、通常行われるCT検査の6分の1~8分の1程度の低線量(低被曝)で検査を行うことができることです。
喫煙者やせき、たんなどの症状がある方は、同時に、喀痰検査をすることをお勧めします。
胸部CT検査は、肺野型の肺がんの発見に優れた検査ですが、気管支型の肺がんの発見には、喀痰検査が優れています。
こんな人はおすすめ
- 男女問わず50歳以上の方
- 喫煙する方、あるいは以前に喫煙していた方
- 近親者に肺がんになった方がいる方
- せき、たん、血たんなどの症状がある方